《MUMEI》

私と出来杉さんは、唇が触れあいそうな距離で見つめ合ったまま、街角に佇んでいた――…。



会話のボールは、いま出来杉さんが握っている。



出来杉「……………………。」



彼は、暫し沈黙していたわ…。



…だけど彼は、のび太さんのように馬鹿じゃない…。



私が下した“命令”のような依頼に、選択の余地がないことを彼が察するまで、多くの時間はかからなかった。





出来杉「…仰せのままに―――…


――…… キ ラ 様 ……。」




こうして出来杉さんは、私の傍に立て膝をついて、頭を垂れたのよ…。



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