《MUMEI》 類は友を呼んだ『類は友を呼ぶ』、その言葉の意味を、しみじみ理解した時のお話です。 私が高校生の時のお話です。 同じクラスの中に、仲良しグループの人達がいました。 全員女の子で、何でも気軽に話ができました。 彼女達とは帰り、一緒に帰ることが多かったです。 グループの中の1人の女の子がある日の帰り道、うんざりしたような表情をしていました。 なので、 「どうしたの?」 と私が尋ねると、 「アタシの部屋の外に、ずっと立っている男の人がいるんだ」 と言いました。 何でも彼女の部屋は一階にありまして、窓の外の塀の向こうに駐車場があるらしいのです。 男性はその駐車場にいると聞きました。 こちらを見られないように、窓とカーテンを閉めっぱなしにしているのが悩みだと、彼女は言いました。 「なら、警察に連絡すれば?」 と私が言うと、 「ムリ。意味ないもん」 と彼女は答えました。 「何で? 危ないでしょ?」 「だってその人、2日前にその駐車場で事故死した人だから」 …ああ、ナルホド。 それなら警察に相談できないのも、納得ですね。 彼女は塩を窓際に置き、こちらに入れなくしたそうです。 数日後には消えていたそうですが…。 そういうことをアッサリ言う彼女も彼女ですが、アッサリ受け入れてしまう私も私ですね。 『類は友を呼ぶ』―いろんな意味で、深い言葉だと思った日でした。 |
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