《MUMEI》
長い長い一日10
こうして、やっと教室にたどり着いた俺に


更なる災難が振りかかった


ダッシュで教室に入ってきた俺達には、当然のように、同級生達の注目が集まっていた


そして、その中には


『おはようございます、修治様』


俺を見事に無視して、鳳凰寺だけに挨拶する


挨拶する


…えーと、…


とにかく、挨拶する、鳳凰寺の相手のわがままお嬢がいた


『…』

『どうしてメールも電話もお返事無かったのですか?』

『…』

『私、何度も、しましたのに』

『…』

『返事、しないと、反省文…』


反省文?


『誠。今朝はすまなかったな』

『へ? あ、あぁ』

『またあるかもしれないから、よろしく頼む』

『…それはちょっと』


せめて裸はやめてくれ


刺激が強すぎる


『修治様!』

『じゃあな、誠』


鳳凰寺は、俺に笑顔を向けて、自分の席に向かった


この後


席に向かう俺は、わがままお嬢やその取り巻き達に睨まれた


悪口が無かったのは


隣の神澤が怖かったからに違いない

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