《MUMEI》
オリジナルとクローン
「じゃあ、俺は今からスペシャルディナーを作るから」


アルゴンは、そう言って席を立ち、台所に向かった。


アルゴンが、夕食ではなくスペシャルディナーと言う時は、調理時間が倍になる事を意味していた。


その不器用な気遣いに苦笑しつつ、ネオンは話し始めた。


エアーが、社長の妻・ソラリアのクローンである事


植物遺伝子を持ち、植物と似たような特性を持つ、特殊な人間である事


エアーを作ったのは、恐らく、グリーン博士だという事


この中で、一番クーが反応したのは


エアーが、社長の妻のクローンという部分だった。


「ねぇ、ネオン」

「ん?」


だから、話を聞き終えたクーは、一番気になった事を質問した。


「オリジナルと同じ人を、クローンも、…好きに、なるのかな?」


ーと。


エアーちゃんを見てると、とてもそうは思えないけど


「わからないわ」


ネオンは、正直な意見を口にした。


エアーは社長と面識が無い


と、ネオンは思っていたからだ。


「そう、だね」


頷くクーも、ネオンと同じように、エアーと社長は面識が無いと思っていた。

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