《MUMEI》
グリーン博士錯乱
「しゃ、社長!?」


グリーン博士は、突然現れた社長に、悲鳴に近い大声を上げた。


何故なら


社長は、グリーン博士が内側からロックをかけている正規の扉からではなく


全く違う


壁だと思っていた部分から突然現れたのだ。


しかも


社長の後ろにいるノームは


グリーン博士に向かって、ビームライフルを向けていた。


既にその銃口は、発射可能な状態で、青く光っていた。


こ、殺される!


エアー抹殺にことごとく失敗し


部下三名が死亡していた事で


既に、グリーン博士は精神的に追い詰められていた。


「来るな!来るなあ!」


だから、無駄だとわかっていながら


人間には無害だとわかっていながら


あらゆる備品を


薬品を


ノームと社長の方に投げつけながら、逃げ回った。


投げつけながらと言っても、非力なグリーン博士の力では、実際それらは二人まで届かず


床に散乱するだけだった。


「君に、訊きたい事がある」

「な、何でも答えます!だから、命だけは!」


追い詰められたグリーン博士は、泣きながら懇願した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫