《MUMEI》
盗聴機の存在
O2カンパニーに到着した二人は、受付でライトとキセノンと合流した。


オゾンの誕生日会という事で、ライトはあの


いつも着ている白衣では無かった。


「何だか新鮮ですね」

「お主もな」


クーとライトは


お互い、滅多に見ないスーツ姿で、和やかな雰囲気だった。


一方


「ネオン、ちょっと」


華やかなドレスに身を包んだキセノンは


ドレスに似合わない、険しい表情で


完璧にスーツを着こなしている、ネオンを呼んだ。


「どうしたの?」

「これ」

「…っ」


キセノンがバックから取り出したのは


ネオンが以前握り潰した盗聴機と同じ物だった。


「どこにあったの?」

「パパの、白衣。…ごめん」


これが盗聴機だと、キセノンは知らないが、ネオンの表情から、よくない物だとはわかった。


「昨日、クリーニングに出す時、ママが気付いたの」

「…そう」

「本当に、ごめん」

「いいわよ、もう」


社長が全て知っているなら、そのつもりで対応するだけだし


ネオンは開き直り


クーと無事に帰る事だけを考える事にした。

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