《MUMEI》
気持ち
『うっ…あぁ…』

殿下の悲鳴が響く。
ロイズは殿下に絡み
付く弦を剥がそうと
躍起になっていた。

そんな二人を冷めた
瞳で見た後、ユウリ
は白の鎖を外す。

『大丈夫ですか?白
。酷い目に合いまし
たね。』

『ユ…ウリ先生…』

苦しげに、白が言葉
を発する。

『はい、なんですか
、白?』

『止めて…殿下は…
殿下の心は、そんな
コトじゃ救われない
…から…』

『え、何を…白、君
は殿下に殺されてた
かも知れないんです
よ?それを、助けろ
と言うんですか?』

信じられないと言う
顔のユウリに白は、
ゆっくりと頷いた。

…殿下を救うのは裏
切らない気持ちなん
だ。そして…それを
与えるコトが出来る
のは……

白は視線をロイズへ
と向けた。


『クソッ!なんで剥
がれないんだ。殿下
を放せ!』

ロイズは、視線に気
付かず弦と葛藤して
いた。


『…ロイズ?』

ユウリは白の視線の
先の彼を見た。そし
て再び白へと視線を
戻すと、白は今一度
大丈夫だからと頷い
た。

『ふうっ、仕方ない
ですね。君がそこま
で言うのなら…』

ユウリは、殿下に絡
み付く弦を外した。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫