《MUMEI》
嫌な空気
その後、四人は受付の女性に、オゾンの部屋まで案内された。


「やぁ、いらっしゃい」

「来てくれてありがとう!」


中にいたのは、社長とオゾンの二人だけだった。


…?


クーは、部屋の異変を


正しくは、部屋の空気の異変をすぐに感じとった。


「オゾン、…大丈夫?」

「へ? 何が?

あぁ、明日の手術の事なら、頑張るから、大丈夫だよ」

「いや、そうじゃなくて」


クーは、首を傾げるオゾンに近付いた。


それは、オゾンの隣にいる社長にも近付く事を意味しており


「ちょ、クーちゃん、失礼よ」


ネオンは慌ててクーを止めた。


「だって」

「社長は危ないって知ってるでしょ」

「…うん。でも」


クーは、ライトとキセノンを見た。


「どうした?」

「何かあったの?」

「ねぇ、二人共。オゾン、体調大丈夫なの?」

「「?」」


突然のクーの質問に、二人は首を傾げた。


空気屋のクーだけが、異変に


普段清浄なはずの空気に


違う何かが混ざっている事に、気付いていた。


これ、…オゾンには、危険じゃないかな?


クーは、体の弱いオゾンを心配していた。

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