《MUMEI》
誕生日会開始
「よくわからんが…オゾン君の体調は、悪くないはずじゃぞ」


そう言ってライトは


明日、オゾンの手術を行うキセノンを見つめた。


「大丈夫よ、クーちゃん」

「なら、いいけど」


気のせいなら、それでいい


クーはそう思い


二人の医師の言葉を信じて納得した。


「早く始めようよ!料理もケーキももう届いてるんだよ!」


オゾンが四人を急かした。


四人は慌てて、部屋の中央に置かれたテーブルに移動した。


そこには


アルゴンが気合いを入れて作った料理とケーキが並んでいた。


これらは


欠席してしまったお詫び


ということに、表向きはなっていたが


料理とケーキを持参することで


自分達の安全を確保する為という、目的もあった。


「うちのシェフより美味しいかも! ね、パパ!」


何も知らないオゾンは、喜んでアルゴンの料理やケーキを食べていた。


「そうだな」


社長は、終始笑顔で、余裕があった。


「グリーン博士も今日に限って風邪引くなんて、ついてないよね」

「そうだな」


社長はまた、オゾンに向かって微笑んだ。

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