《MUMEI》
集結
「出て来なさい、まさか怖じ気づいた?」

千花さんが大群を引き連れ体育館に入って来た。
軍隊の総指揮のように先陣をきる姿は、電撃をうけたとは思えない。


「何処にいるのかしらあ!」

カーテンや倉庫を荒らされてゆく……僕にはまだ気付いていない。

その時だった、
床が地響きを起こし崩れ落ちる。


「はなちゃーん、ごめんね。どうしても勝ちたいんだよね!」

声から推測すると千守さんが仕掛けていた爆弾のようだ、火薬の臭いと煙で満たされ、視界が悪くなる。

もしかして、生き埋めにされたのではないか……!





「この私を嘗めんじゃないよおお!」

雄叫びと共に千花さんが深い穴から駆け上がる音が聞こえた。


「もう、しつこいよ。ちょっと相手してて!」

千守さん側の下僕はうろたえながらも言い付けを守ろうと千花さんに立ち向かってゆく。
よく見えないが千花さんの派手な飛び蹴りが決まったところは確認した。


次々、人が入れ代わるが一人だけすぐに立ち上がる人が居た。

「アフン!」

聞いたこと無い発声で志雄君は千花さんに向かって行く。
まるで、ゾンビのようだ。

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