《MUMEI》 . 混乱したわたしは、すぐ傍でこの状況を傍観している先輩に助けを呼びました。先輩!先輩、お願い!この人達を止めて…。 必死の懇願も虚しく、先輩は、わたしが怯える様を見て楽しむかのように、柔らかく目を細めて言いました。 「お前、たまってるんだろ?聞いたよ。色んな男とヤリまくってるんだって?俺だけじゃ満足しないんだろ?だから、今日はお前の為に、仲間を呼んでやったんだ。ありがたく思え」 そう言われた瞬間、頭の中が真っ白になりました。 ―――違う。 そうじゃない。わたしは…わたしは…。 弁明しようとしましたが、その前に『順番』が決まってしまいました。 一人の男がわたしに馬乗りになり、乱暴にブラウスを破ったのです。 途端、周りから喚声が上がりました。 他の男達はわたしの手足を押さえつけ、身動きが取れないようにしたあと、ハサミを取り出して、わたしの服や、髪の毛を切り始めました。完全に、面白がっていました。 怖くて怖くて、わたしが逃げようと暴れると、誰かがわたしの顔を思い切り殴り付けました。何度も、何度も。 継続的なあまりの痛みに、段々と身体中の力が抜けていきました。 ―――そして、 朦朧とした意識の中で、 無抵抗になったわたしは、男達に、代わる代わるレイプされました。 痛くて痛くて何度も気を失いそうになっても、その度に殴られ、わたしは一時も休む間を与えて貰えませんでした。 「お前も混ざる?」 男達のひとりが、先輩に尋ねました。わたしは、ゆっくり、先輩の顔を見上げました。 先輩は惨めなわたしの姿を見て、 「俺はパス。その女、もう飽きたし。お前らにやるよ」 と笑い、最後に「ちゃんと片付けとけよ」と呟いて、そのままアパートから出ていってしまいました。 そこでようやく、気づいたのです。 先輩に、はめられたんだって。 暖かい何かが、わたしの頬を伝いました。涙でした。それは可哀想な自分を嘆いたものなのか、それとも先輩に騙されたことへの悔しさなのか、わたしにはわかりませんでした。 . 前へ |次へ |
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