《MUMEI》

「アキラとメールしていいかな…前のアドレスって実は生きてるんだろ?」

俺がアキラにバレないようジェイミーを呼び出す為に、アキラの携帯からニセのアドレスに誘導したものだから、当然前のアドレスはアキラに繋がったままになっている。

「…この計画、バラさなきゃな」
「分かってるよッ!…でも、あんな可愛いメールお前が打ってたんだな♪」
「その事も言うなよ…」
「はぁい、マイスゥィートハニ〜ィ♪」
「言うな…///」

バレないようにと、アキラの気持ちになって文面を考えていたのだけど…。

俺の心の中にあったアキラのイメージだったので、内容が少々可愛い過ぎたようだった。

= = = = = = = = = = = = = = = = = = = =

僕はもうくるみちゃんと入ったって言ったのに、克哉さんが僕の着ていた寝巻きを脱がしてきて一緒に風呂に入ろうと言ってきた。

「やっ…ぁ…ダメですそこは///」

バスタブの中でお互いに正面を向いて身体を洗い合う…というか僕が一方的に触られているような気がする…。

「くるみの欲しいもの、聞きたいか?」

克哉さんの首筋をスポンジで撫でていると、克哉さんが僕の太股辺りを撫でながらそう言ってきた。

「な…何だったんですか?」

思わず手を止めて克哉さんに詰め寄った。

さっき、くるみちゃんを寝かしつける時も何とかして聞き出せないかな、と思って色々聞いてみたんだけど、くるみちゃんは口を両手で覆って頭を左右に振り”イヤイヤ”というポーズをとっていて、結局聞けずじまいだったから。


「『ミニョンと一緒に住めるおうちが欲しい』…だそうだ」
「えっ///」

(ミニョンちゃんと一緒にって…あぁ…そういう事だったのか…)

朝、くるみちゃんを送って行く時『アキラしゃんもミニョンも同じくらいしゅき…』と言ってたのはそういう事だったのか。

ミニョンちゃんの元に走って行っちゃって、そして一緒の家に住みたい…か。

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