《MUMEI》
社長からの電話
夕方


「旦那様、奥様。

O2カンパニー社長から、お電話が入っています」


執事の報告を受け、ネオンの両親がいるプライベートルームに緊張が走った。


「回線を繋げてくれ」


執事は無言で頷いた。


『こんにちは。いや、こんばんは、かな?』


部屋に設置されたスピーカーから、社長の声が聴こえてきた。


「どちらでも、構いませんよ。

本日は、息子が世話になっているようで」

『えぇ。お陰様で、うちの息子も喜んでいました』


緊張するネオンの父親に比べて


社長の声は、余裕があった。


「それで、用件は何ですか?」

『私の妻のクローンが、そちらにお邪魔していると思うので、迎えに行きたいのですが』

「ご存知でしたか」


どういう事だ? ネオンは社長は知らないと


ここに連れてきたのは、グリーン博士からエアーを守る為だと


そう聞いていたネオンの両親と、屋敷にいた人間は、僅かに動揺し始めた。


そこにつけこむように、社長は続けた。


『実は、エアーをグリーン博士に作らせたのは、私なのです。

急にいなくなってしまって、ずっと探していたんです』

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