《MUMEI》 呼び出しエアーとアルゴンのいる客室のドアがノックされたのは 社長からの電話が終了した直後の事だった。 電話が長引いたので、辺りはすっかり暗くなっており、アルゴンとエアーは徐々に不安になり始めていた。 だから ネオンの両親からの伝言を伝えにきた使用人に、すぐに詰め寄ったのだが その様子を監視カメラで見ているネオンの両親には 社長に植え付けられた先入観があり アルゴンが、使用人を睨んでいるように エアーが、助けを求めるように 見えてしまった。 「エアー様。奥様が、お呼びです」 「おくさま?」 「ネオン様の、お母様です」 「何かあったのか?」 「い、いえ!ただ、訊きたい事があると」 眉間にシワを寄せたアルゴンを見て、使用人の声が裏返り アルゴンは、更に険しい表情をした。 「奥様が、女同士で、話したい、と…」 女同士 「俺は?」 「ここで、お待ち下さい」 そう言われアルゴンは少し悩んだが 結局、ネオンの両親を 屋敷の使用人を信用して、頷いた。 そして、エアーはネオンの両親と再び対面した。 前へ |次へ |
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