《MUMEI》
足止めされたアルゴン
『ネオンとクー君が戻ってきたら、鍵を開ける』

『だから、…もう、やめて下さい』


いつまでも必死なアルゴンに、ネオンの両親は、思わず声をかけた。


ただし、客室に設置されているスピーカーを通して、だが。


「エアーはどうしたんだよ」

『エアーは』

『O2カンパニーに送りました』

「はぁ!?」


何でだよ!?


絶句するアルゴンに、言い聞かせるように


ネオンの両親は、社長とのやり取りを説明した。


「ふざけんな!」


アルゴンは、当然…キレた。


「エアーはなぁー、本当にクーが好きなんだよ!」

『しかし…』

「エアーにちゃんと訊いたのかよ!

クーが好きかって!」


ネオンの両親は、ハッとした。


答えない二人に対して、アルゴンはまた叫んだ。


「見た目だけで判断してんじゃねーぞ!」


見た目だけ


まさに、その通りだった。


「わかったら、早くここから出せ!」

『それは、…できない』

『ごめんなさい』

「何でだよ!」


ネオンの両親は、本当に申し訳無さそうに、告げた。


『その部屋のロックは、一度かけたら、十二時間は解除できないんだ』


ーと。

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