《MUMEI》
社長室の隠し部屋
ネオンが目指した社長室


その、地下の、ソラリアがいた隠し部屋


に、続く階段がある、小さな部屋


そこに、社長と


エアーを抱えたノームがいた。


「どういう事だ?」


気絶しているエアーを見て、社長は不機嫌になっていた。


「申し訳ありません。私が運転手だと気付いたエアー様が、興奮し始めまして」

「それは、お前が『サン』だと気付いたからか?」

「はい」


エアーは、ノームの声を聞いて、ノームがサンと同一人物だとわかり


クーと自分を引き離した人間として


珍しく感情を露にし、ノームの運転する車から降りようとしたりして、暴れ始めたのだった。


「よほど、お前が恐いんだな」

「…そのようです」


本当は違うが、ノームは社長の言葉に頷いた。


「お前は、社長室で待機していろ。

恐らく、ネオンが来る」


監視カメラでわざわざ確認しなくても、ネオンが大人しくしているとは、社長は考えていなかった。


「承知しました」


ノームは社長に頭を下げ、隠し部屋を後にした。


エアーが目覚めたのは、その直後の事だった。

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