《MUMEI》
社長との再会
エアーは、社長の腕の中で目を覚ました。


「? …しゃ、ちょう?」

「エアロと、呼んでおくれ、エアー」

「エア、ロ?」

「そうだよ」


やっと、手に入れた


社長は


エアロは、エアーを更に強く抱きしめた。


エアーが社長を


社長という単語を覚えていたのは


捨てられ、薄れゆく意識の中で


エアロを迎えにきたノームが『社長』と呼ぶのを聞いていたからだった。


「クーは?」


エアロの腕の中で、エアーはキョロキョロと辺りを見回した。


エアーが抵抗しないのは


社長を嫌いでは無いと答えたのは


エアロのお陰でクーに出会えた事を、エアーは知っていて


エアロに感謝していたからだった。


「エアーは、クーが好きかい?」

「好き!」


即答し、笑顔になるエアー


偽りの笑顔を貼り付け、エアロは優しく、続けた。


「ずっと一緒にいたいかい?」

「いたい!」

「そう。…でもね。

エアーが側にいると

クー君は

死んで、しまうんだよ」


エアロは、悲しげな表情を


作った。

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