《MUMEI》
エアーとエアロのやり取り
「しんで…?」


『死』の意味がわからず、エアーは首を傾げた。


「痛くて、苦しくて、辛い想いを

たくさん、たくさんして

最後には、動かなくなってしまうんだよ」

「や!!」


エアロの言葉に、エアーは悲鳴を上げ


涙を浮かべた。


「そうだね。嫌だね」


エアロは、エアーの涙を拭いながら、続けた。


「でも、エアーが、クー君と離れて

私と、ずっと一緒にいてくれたら

そんな事は、起こらないよ」

「…本当?」

「あぁ」


…もう少し、だ


もう少しで、エアーは、私のものになる


エアロは、にやけそうにな顔を、必死で抑えた。


「エアーと離れた方が、クー君は、幸せなんだよ」

「もう、クーには会えないの?」

「そんな事はないよ。彼は息子の、オゾンの友人だ。

君が望むなら、会えるよ」


私の妻として


オゾンの母親と、してだが


「…」

「どうする? エアー」


「…」


…もう、一押し、か


「この手術が終わるまでに、答えをもらえると嬉しいな」

「しゅ、…?」


首を傾げるエアーは


目の前に出現したスクリーンの映像を見て、さっき以上に泣き叫んだ。

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