《MUMEI》
ドナーの手術
彼が、ドナーか


ライトは、手術台に固定されたクーの前に立った。


クーの体型は、標準で、何処にでもいそうなタイプであり


しかも、肌の色が違う為


ライトは、ドナーがクーだとは気付かなかった。


「これより、手術を開始する」


ライトはそう言って


躊躇いなく、クーの体に、メスを入れた。


確かに、素晴らしい心肺をしている


感心しながら、ライトは、丁寧に


クーの、肺を取り出し


かわりに、人工肺を移植した。


取り出された肺は、すぐに専用ボックスに入れられ、オゾンの部屋へと届けられた。


その、一部始終を


エアーは、エアロから、見せられていたのだった。


たとえ肌の色が違っても


眠ったままでも


そこにいるのはクーだと


エアロに説明されなくても、エアーには、わかっていた。


「クーを助けて!お願い、助けて!」


このままじゃ、死んじゃう!


人工肺を移植されたクーは死ぬことは無い。


しかし、それを知らないエアーは必死でエアロに訴え続けた。


「私とずっと一緒にいてくれるかい?」

「いるから、クーを、助けて!」

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