《MUMEI》

参列者一同の少し離れた場所から、出来杉さんも私達に目配せしている――…。



どうやら彼も同じ不安にさいなまれているようだったわ。




リューク「ほう……。お前にしては、やけに慎重じゃないか…。


…まあいい……。


…美味しい物は最後までとっておくのも一つの手だ…(笑)」



…リュークは低い声で笑った。




その時、笑うリュークと私の前を――…



遺影を抱いたのび太さんのパパと、戒名の御札を抱いたドラミちゃんが、黒塗りのワゴンに揺られて通り過ぎていった。



私とリュークは、車列を見送る参列者たちに紛れて、密かに樮笑んでいたの――…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫