《MUMEI》
長い長い一日12
昼休み


『誠、お昼どうする?』

『食堂か、購買行く』


料理出来ねーから、弁当作れねーし


渚さんに頼めば弁当作ってもらえるらしーけど


頼む暇も無いほど忙しかったし


『購買にして』

『別にいーけど…』


何か言い方おかしくねーか?


『あ、あの!高橋君』

『どうした? 皐月』


何でそんな気合い入れて…


あぁ


『睨むな、神澤』

『…』

『睨むな』

『ん』


よし


『で、どーした? 皐月』

『う、うん。僕も一緒に…』

『真中君』


優しい口調だが、その


皐月の相手っぽい女子の声に、皐月の肩がビクッと揺れた


女子の手には、一人で食べるには明らかに大きい


重箱があった


『一緒に食べましょ』

『え、あー…』


皐月は、俺を見た


…仕方ねーな


『皐月は弁当作ってきたのか?』

『あ、うん』


皐月が取り出した弁当は


重箱とはいかなくても、かなり大きめだった


これは


元々、誰か


つーか、俺を頼る気だったな


多分、和彦辺りの提案だろーけど

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