《MUMEI》
長い長い一日17
「お姫様抱っこ、…いいな」

「て、何で神澤だけ一緒に来てるんだよ!」


何でバ会長来ねーんだ


「あの二人、仕事」

「はぁ!?」


こんな時に!?


「週末までに片付けないと、夜遊び行けない、から」

「何だそれ!」


一ノ宮先輩はともかく、バ会長はそんな理由でついて来ねーのか!


「バ会長、ちびっこよりジョーカーと会う方が

ジョーカーの方が、大事」


ちびっこって


財前先輩だよな


それで、ジョーカーは


「…俺?」

「ん」


こんな可愛い女の子より


得体の知れない、俺?


「趣味わりーな、アイツは」

「ちが…」

「お、あれだな。入り口開けてくれ」

「…ん」


俺を追い抜き、神澤が『第一保健室』のドアを開けてくれた


つーか、第一って


第二も、あんのか?


「残念。ここは、女子専用よ」


中から女性の声が聞こえた


なるほど、そーいう事か


「すみません。倒れた女子を連れて…」

「…」


保健医と、目が合った


「誠?」

「は、はいはい。君は先に帰ってね」


保健医は、神澤だけを外に追い出し


鍵をかけた

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