《MUMEI》
長い長い一日20
「それって…

隠してるから?」

「!?」


コイツ、まさか…


いやいやいやいや!まさか!


いくら今日が長かったからって


学園に来てから濃いからって


まだ、ちゃんと関わるようになって、…


「…っ」

「やっぱり、いい匂い」


く、首筋に鼻こすりつけんなぁ!


「いい加減、離せ」

「やだ。やっと、捕まえたのに」

「は?」

「いつも、逃げた」

「…あぁ」


ダイヤのエースと、ジョーカーとして会ってた時


それなりに仲良くなっても


俺は、距離をとってた


接近戦じゃ


腕力じゃ、敵わねーから


唯一俺が神澤に勝ってたのはスピードだから


毎回俺の正体を突き止めようとする神澤を、何とかまいた


神澤よりは劣るけど


それなりに、スタミナあるし


「だから、今度は逃がさない」

「別に、今回は逃げるつもりねーよ」

「逃げてる」

「は?」

「俺の、気持ちから、逃げてる。ずるい。誠」

「だから、それは」


理由があるんだよ


「俺は、誠が男でも

女でも、好き、なのに」

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