《MUMEI》
仲良く登校2
「おい、歩」

「ね、高橋君。クマ隠すだけだから、…いい?」

「え?」


クマ?


「そんなに、ひどいか?」


一応鏡で見たんだけど


「僕が気になるんだ」

「歩はそういうの、気にするからな」


それって、バ会長のセフレだから、か?


「好きなんだ、こういうの? ね、いい?」


あ、そうなんだ


なら


「別にいいけど」

「じゃあ、ロビーでやっちゃうね」


相楽が嬉しそうに言うと


丁度、エレベーターが一階に到着した


「座って」

「あぁ」


相楽はすぐに、カバンから可愛いポーチを取り出した


いつも、持ってんのか


「目を閉じてじっとしてて」

「ん」


言われた通りにする


目元に何か触れる感触と


…何か、いい


甘い匂いがした


…神澤!


いい匂いってのはこの事だぞ、多分!


そんな事を考えてた俺は


周りの視線に全く気付いていなかった


「はい、できたよ」

「サンキュー」

「一応、確認して」


相楽から、鏡を受け取る


「おー、すげー」


うっすらできてたクマは、跡形もなく消えていた

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