《MUMEI》
仲良く登校4
鳳凰寺 修治視点


…どこまで自覚が無いんだ、コイツは


俺や歩を美形だと認識しているんだから、美意識は、ちゃんとあるはずなのに


俺は副会長のように、ナルシーじゃない


でも、自分がそれなりに美形だと


そう、しっかり自覚していたからこそ


いろいろ、警戒できた


こんなんで、コイツ…


そこで、思い出す


あの、神澤を


そこらの不良よりよほど強い、神澤を


上回る迫力を見せた、誠を


多分、誠はかなり強い


でも、中には卑怯なヤツもいるからな


「仕方ないから、守ってやるよ」

「は?」

「とりあえず、お前、一人で行動するなよ」

「そうだよ、高橋君」

「…まぁ、できるだけたくさん関わらなきゃなんねーから、いいけど」

「「は?」」

「あ、いや、何でもない。わかった」


誠は何度も頷いた


何か変だったけど


わかれば、いいか


そうして、揃って登校すると


「誠!」

「うお!」


下駄箱で、神澤が誠にタックル


というか、抱きついてきた


神澤は、ずっと前から待っていたらしく、遠巻きにその様子を見つめる、神澤ファンの姿があった

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