《MUMEI》
感じる殺気
わっかりやすいなー


神澤がくっついてきた途端に感じたのは


あからさまな敵意の込もった視線だった


神澤、生徒会役員だし


家柄もそれなりにいいだろうし


かなり見た目恐いかもしれねーけど


美形だし


きっとファンとかいるんだろうな


修治と相楽といた時は、ここまで密着しなかったし


「というわけで、離れろ神澤」

「嫌」

「靴履き替えられねーし、教室行けねーだろ」

「…」


仕方なさそうに、神澤は俺から離れた


「俺だけの誠ならいいのに」

「何言って」

「裸にして監禁して俺無しじゃいられないくらいに…」

「わー!何言ってんだ!」


こんな公衆の面前で!


「お前の方がうるさいぞ、誠」

「あ…」


ヤバ…


修治に言われて周りを見ると


耳を塞ぐ相楽と


こちらを睨む、(多分)神澤ファンがいた


「…教室、行くか」


静かに歩き出してみたが


何か


もう


手遅れな感じがした


これは


嫌がらせ位覚悟した方がいいな


何しろ


俺は、庶民で平凡な男だからな

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