《MUMEI》
そうだった、今日は水瀬と帰れるんだ!
しかし、どうこの家路間近軍団を退けて二人で帰れるだろう。
乙矢に頼むのは難しすぎる。彼に七生と帰るなんて芸当は出来ない、置いていくのがオチだ。
待ち合わせを裏の玄関にするとか、ダメだ。連絡取れん。
ああ 忘れ物を取りに戻る!我ながら狡い手だ。
しかし二人きりになるために犠牲はつきものだ。
「えーと、ジャージ忘れた! 取りに行くから先に帰ってて」
涙出るくらいの大根演技!
悪い、察してくれ……俺は愛に生きると決めたんだ。
さらばだっ!
走れ俺!
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