《MUMEI》

逃げようと背中を向け、
足を踏み出そうとしたが遅かった。


ガシッ


左腕を掴まれた。


途端に騒がしい声が響く。


「キャー!!

あの子、吉沢さんに捕まったわよ!」


「吉沢先輩に目をつけられるなんて……羨ましいです!」


「吉沢さん、このまま押し倒すのよ!」


「キャー!!

これからどーなるのかしら!」


………うぜぇ!!


「てか放せよ!」


掴まれた左腕を上下に激しく振る。


「は、な、せって、ば!!」


「いい筋肉してるじゃない。」


うっとりと左腕を眺めるミニスカ看護婦。


依然、片手で俺の左腕を掴んだまま。


この女、強い。

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