《MUMEI》

緊張のせいか喉が渇いて仕方のなかった


ティーカップに唇をつけ
て熱くない事を確認し、そのまま間髪いれずに喉へと流し込んだ



「…ん?」



無意識のうちに想像していた紅茶の味と違う


砂糖やミルク云々じゃなく紅茶そのものの味…


脳が一瞬、フリーズ…


復旧が完了すると同時に 凄まじい感覚が舌を襲う



「〜〜〜ッ!!」



言葉にならぬ叫び



味覚を貫くような苦味


悶絶し、ソファーから床へと転げ落ちる


手足をばたつかせ、しばらく暴れていると
扉の方から、優しい声がした…


「…合格よ」

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