《MUMEI》
撤退援護
「こっちへ!!」
瞬動で側に移動した狩月がボンカーを担ぎ、ロングッス達が居る場所へ移動する。
「傷の手当は君がやってくれ、手当てしたらそっちの奴と一緒に逃げるんだ。トモ、こいつらは俺とロシュで絶対外まで運ぶ。先に行って安全を確保してくれ。」
「・・・うん。君も手を貸して。クード、お願い。」
二人は切迫した様子で会話をしている。
「待って!!俺よりも二人でこいつら運んでやってくれ。そっちの方が効率良いだろ?ダイタイ俺は逃げるのは得意だけどヒトを庇って戦うのはできないからな。こいつ、嫌な話だけど友達なんだ、死なせたら許さないからな!って訳でよろしく!」
返事も聞かずにロックリザードへと瞬動で近づく。
ロシュと呼ばれた男は4本の炸裂筒を持って何とかロックリザードに近づこうと右へ左へと飛び回っているが、一人で相手にするには荷が重過ぎる。
「遠距離攻撃・・あ〜もこれで良いや!!」
近づこうとしているのに気がつき、注意を引くためにそこにあった石を投げつけるが・・振り向きもしない。
「ごはぁ!!」
ロシュが前足を回避し損ね地面を転がっていく。
「これでも喰らえ!!」
瞬動で強引に近づき、抉れている右の前足に向かって、剣を投げつけた。
ヒュンヒュヒュン・・
回転しながら飛んだ剣は狙った場所には当たらず、鱗に弾かれ地面に転がった。
「くっがああああああ!!」
気合と共に立ち上がるロシュ。再び突撃していく。ロックリザードはそちらに攻撃を仕掛けようとしている。
「だ〜〜〜〜〜〜〜!!!どうにでもなれ!!」
盾にマジックソードの要領で魔力の刃を作り、投げつけた。
ヒュヒュヒュヒュ・・
クルクル回転しながら飛んだ盾は狙った傷口へ刺さった。
「グガァアアア!!」
唸り声と共に狩月に攻撃を仕掛けてくるロックリザード。
尻尾が唸りを上げて襲い掛かってくる。瞬動による移動で回避するが続く腕による一撃は避けられない・・そう判断して顔の前で腕を交差させた。
「ナイスアシスト!トカゲの癖に生意気なんだよ!!」
ロシュがロックリザードの眼に炸裂筒を突き刺した。

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