《MUMEI》
大遅刻
「おかえり」

「ただいま。待っててくれたのか?」

「ん」


一年は、身体測定が終わったヤツから自由解散で


校長室から帰ってくると、教室には神澤しかいなかった


皆、部活か生徒会だしな


風紀委員補佐の聖は、イベント直前以外は部活優先だった


「先に行ってても良かったのに」

「や」

「お前、仕事あるだろ?」


雑用の俺と違って、神澤は書記なんだし


「今から行っても、平気」

「なら、いいけど」

「俺、優秀」


…自分で言うか


「…生徒会室、行くぞ」

「着替えないの?」

「面倒くさいし、早く行った方がいいだろ」


昨日も、遅刻したし


「生着替え…」

「しないから。ほら、行くぞ」


…あ、言い忘れた


「待っててくれて、ありがとな」

「っ、可愛い、誠」

「うわ、抱きつくな! いいから行くぞ」

「もうちょっと」


もうちょっとじゃない!


「はーなーれーろー」

「や」


やじゃない!!


そして、俺と神澤が、生徒会室にたどり着いた時には


ドアはロックされていた


一応、神澤にロックを解除してもらい、確認したが


誰もいなかった

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