《MUMEI》

目の前の出来事に呆
然と立ち尽くす夢視
に、ショウが駆け寄
る。

『夢視、怪我はない
か?』

『ああ、大丈夫…』

夢視とショウの会話
を遮って、ユウリの
声が響いた。


『白?…白、しっか
りして下さい!』

その切羽詰まった声
に…その言葉に…夢
視は、焦って白の方
を見た。


ユウリに抱き抱えら
れた白は、ぐったり
としており、苦しげ
に息をしている。


『は、白?!』

夢視は、ユウリの元
へ駆け寄る。


『夢視様、非常にマ
ズイ事態になりまし
た。』

ユウリは白を抱えて
立ち上がると、言葉
を続けた。


『とにかく、研究所
へ戻りましょう。夢
視様は、私と共に。
ショウ様は、そこの
二人を頼みます。』


ユウリの有無を言わ
さぬ言葉に、二人は
無言で頷き命じられ
た行動を起こした。

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