《MUMEI》

ロイズは肩の痛みで
目を覚ました。

『…?』

『あぁ、ロイズ。気
が付いたかね?』

声の主はマルクス。
そして、マルクスの
前のベットに横たわ
るのは…。


『レイノルド殿下!


慌てて身を起こせば
激痛が襲う。

『つぅ…っ』

痛みに踞ればマルク
スの声がする。


『殿下なら大丈夫だ
、君の方が重傷だよ
安静にしたまえ!』


『…んぅ…ん…』

『おや、殿下の意識
が戻ったようだよ』


マルクスが、そう言
った途端に、ロイズ
の身体は殿下のベッ
トへと動いていた。


『殿下!レイノルド
殿下!』

ロイズの問い掛けに
虚ろに開いていた殿
下の瞳に光が射した


『なあに?ロイズ?
そんな真剣な顔しち
ゃって、クスクス…また
誰かにイジメられた
の?お前は僕が守っ
てあげるからね。』

そう言った殿下の顔
は、あどけない笑顔
で…ロイズに、出会
った頃の殿下を思い
出させた。


『で、殿下?』


『ねぇロイズ、今日
もカイラ先生のお勉
強があるの?僕、あ
の先生、怖いんだ。
間違えると手を鞭で
打つんだよ?ロイズ
から父様に言って辞
めさせて貰ってよ』


…な、殿下?カイラ
先生は、とうの昔に
首に…まさか、記憶
が?…

ロイズは、マルクス
を見た。

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