《MUMEI》
それは噂から始まった。
ある日、俺の友達の
昌宏が真顔で言った


『なぁ、雄介(ゆう
すけ)お前、Bクラ
スの白馬(はくば)
とHしたのか?』

『はぁ?なんじゃそ
ら?』

余りに突拍子も無い
話に、飲み掛けの缶
コーヒーを吹き出し
た。

…Hだぁ?自慢じゃ
ねーが、俺はまだ童
貞だ!てか、そんな
事じゃねーよ、問題
は…Bクラスの白馬
は…白馬は…男じゃ
ねぇかよぉ!?


『何だよ、ソレ?』

気を取り直して、昌
宏に聞いた。


『やー何か、凄い噂
になってるぜ!お前
と渓(けい)ちゃん
!』


…う、噂だぁ?誰だ
んなデタラメ言いふ
らしてる奴は?


…確かに白馬は可愛
いよ、顔だけなら俺
の好みのタイプだ。
はっきり言って、ア
イツなら抱け!と言
われたら抱けるかも
しれない、女の子な
らな。
しかし、奴は男だ!

何が嬉しくて、男と
Hしなきゃならんの
よ?それも、俺の初
体験を…男相手?有
り得ないんすけど?

その時の俺は、マジ
で、そう考えていた

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