《MUMEI》

『はあ?押し倒して
キスしただぁ!?』

昌宏は、呆れた声を
出した。


『…うん、ゴメン』

悄気る俺。


『オレに謝られても
な…この馬鹿、何し
に白馬に会いに行っ
たんだよ!』


『うん、自分でも良
く解らん、何かムカ
ついて気付いたら…
押し倒してた。』


『兎に角、白馬に謝
って来い!』


『えーー、会えねぇ
よ。てか会ってくれ
ねぇから、多分。』


『いーから、とっと
と、行け!このヘタ
レがぁー!』


俺は昌宏に尻を蹴ら
れ、渋々、白馬の所
へ行った。


そんな俺の後ろ姿を
眺めながら、呟く親
友。

『どーしょーもねー
な、アイツは!』

…渓ちゃんが、可哀
想な位、いつも見て
るのに全然気付かね
えし、気付いたら、
押し倒しただと?!
救えねー馬鹿!

折角、俺が噂話を流
してやったのに…。

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