《MUMEI》

『高柳くん?!』

目の前の高柳くんは
支離滅裂な言葉を吐
いた。僕には、もう
何がなんだか解らな
い。

ただ高柳くんの顔を
穴が空くほど眺めて
いたらしい。


『だぁぁもう!チガ
くて、俺、俺…』

頭を掻きむしる高柳
くん。

『??』
益々、困惑する僕。


ギュウゥゥ!!!
『ふえっっ!?』

いきなり高柳くんに
抱き着かれて…

『白馬、昨日は悪か
った、謝りに来たん
だ、俺。』

…謝られた。その間
もギュウギュウ抱き
しめられて…。


『痛っ、痛いよ、高
柳くん!ギブ、ギブ
だから…』

肩をポンポンと叩い
たら、やっと離して
くれた。

…内蔵が飛び出るか
と思った。

でも、わざわざ謝り
に来てくれたんだ。
凄く…嬉しいかも。

ちょっとは僕のコト
気に掛けてくれたん
だよね、高柳くん。

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