《MUMEI》

『…転校?誰が?』

暫くして白馬が聞い
た。

『白馬が…だろ?引
っ越しすんだよな?
連休中に。』


『ああ、うん!隣町
にね。ほんの十何軒
先だよ。親父が格安
物件見付けてさ…だ
から、その転校とか
しないから…って、
ちょっと、高柳くん
?』

俺は膝から力が抜け
その場に座り込んで
しまった。

『あ、はははっ、何
だ、そっか…良かっ
た。』

俺の渇いた笑い声が
玄関に響く。


『さっきの言葉…ホ
ント?』

白馬が赤い顔で聞い
た。


『ああ、ホント!俺
さ、お前となら、噂
になってもいいよ』


『クスッ…もう噂にな
ってるケドね?』

白馬が笑う。

『あ、ホントだな』

俺も笑う。


二人の笑顔が近付い
て…

『僕も、高柳くんの
コトずっと前から好
きだったんだ!』

…そんな声が聞こえ
た、すぐ後…唇には
柔らかくて甘い感触


俺と白馬は二度目の
キスをした。

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