《MUMEI》
「…で?アンタ何者だ?拳銃持ってて一般市民とは言わせないぞ。」
スタンドの中央で向かい合う。男は見た感じ30代後半で180cm以上あるだろう巨駆を黒のスーツで包んでいる。太ってはいないが、筋力は並以上にあり圧倒感がある。
「別に名乗るほどのもんじゃないよ。これもヤクザの事務所から持ち出してね。いやはや、うまくいくもんだな。」
などとうそぶく。…なかなかのくせもんだな。
「…まず、ひとつめ。その銃だ。SOCOM mk.23。特殊部隊向けの銃だ。民間向けモデルも発売されているが、その軍のシリアルナンバーは刻印されていないし、軍放出品でも機密保持のため削りとるはずだ。どちらにせよ、ここ日本でお目にかかれる銃じゃない。」
オレは銃を指さす。そこにはきっちりとシリアルナンバーが刻印されている。
「そして、ふたつめ。射撃方法だ。素人の腕前でないのは当然として、問題は撃った箇所だ。頭に一発と胴体に二発。これは軍隊においてハンドガンで狙えとされている場所だ。……お前、従軍経験があるな。」
そういい放ち問い詰める。
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