《MUMEI》

そんなこんなで大学への道のりはとても長くも短く感じられた

「じゃあ俺は別の講義受けるからまたね」

「うん、またね!」

互いに手を振り合う私達

ちょっぴり寂しかったけど誠一の背中を見てると私もがんばらなくちゃって思える

だからがんばるんだ


まだまだ未熟だけど私は綺麗なお嫁さんになって誠一と幸せに暮らすんだから!
私は気づいたらガッツポーズをしていた


「亜依ってばなにやってんの?」
後ろから聞こえるその声は…

「やっぱり美沙だ!」

「なにいってんの?」
とぼけた顔で聞く美沙は今日も栗色の髪の毛を二つに縛ってる
長い髪の毛いいなぁ…
「うぅんなんでもない!」
終始ニヤニヤしてる私を怪訝な目で美沙は見てたけど気にしてないみたい

「そういえば亜依!あたしこの間めっちゃかっこいい男子見たんだよ!」

またでたよ
尾崎美沙の男子ウォッチング
これさえなければ超べっぴんさんでモテるのに…


「ふぅんよかったじゃん」
「なんで棒読みなのよ!さては今朝も誠一君と来たのね?
ずるい!亜依はあんなにいい彼氏いてずるい!」

急にふてくされる美沙にはいつも困るんだよね

てか美沙はその気になればあたしより沢山の人を魅了できると思うんだけどなぁ
「まああたしだってその気になれば男の一人や二人」

いやいや美沙さんすれ違い際に男子がスゴい目でこっち睨んでましたから

「うーん、でも美沙は確かにかわいいからねぇ」

「えへへ、ありがとう!あ!あの男の子かっこいい!」

走りだした美沙を追いかけるのはめんどくさいから今日は一人で講義受けよっと

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