《MUMEI》
虎之介先輩VS変態6
「誠は、やっぱり、…Sなのか?」


変態と渚さんを放置して、食事を再開したら、虎之介先輩から質問された


つーか、やっぱりって…


「最初からSじゃないデス」

「だって」

「あれは、変態が嘘ついてたから。

自業自得」

「嘘?」

「…話の内容はともかく、それが原因で食べないのは嘘」


だって


笑いこらえてんの、バレバレだったし


多分、虎之介先輩からは表情の僅かな変化、わからなかったんだろうな


「そうか」

「そう。それより、虎之介先輩は大丈夫?」


未だにきのこは手付かずだった


「…頑張る」

「何でそんなに嫌いなんだ?」

「昔、一度だけ、毒キノコを食べてから…」


思い出して、虎之介先輩は、真っ青になった


これは、本当だな


「協力するよ、先輩」

「え?」

「いまのうちなら平気だから、…内緒な?」


虎之介先輩のきのこをできるだけ俺の皿に移動し


かわりに、俺のトンカツと千切りキャベツを置いた


「ま…」

「いまのうちに、食っちゃおう」

「あ、あぁ」


こうして、俺と虎之介先輩は、無事に完食した

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