《MUMEI》
虎之介先輩VS変態8
「痛い、…けど、イイ…」


支えを失い、床に座り込みながら、変態は


うっとりしていた


「ぬ、抜け駆けってなんだよ。俺は、ただ、寮長として、先輩として

誠を、敷地内の街に案内しようと」


あ、そうなんだ


「それって、デートじゃん」

「ちちち違う!」

「そうだよ」

「そうだ、…違う」


何故か


虎之介先輩のテンションが下がった


「二人っきりで出かけたらデートだと皆に誤解されるよー

だ・か・ら

僕もついて行ってあげる」

「「来るな!」」

「えー、じゃあストーキングするからいいよ」

「「よくない!」」

「えー

ていうか、せー君、行く気満々?」

「まぁ、断る理由無いし」


街、見てみたいし


「タイガー、真っ赤ー!」

「ううううううるさい!」


本当、真っ赤だな、虎之介先輩


「どうか、したのか?」

「い、いや。あの…変態が、で、デートとかいうから、その…」

「俺とデートは無いよな」


虎之介先輩、ノーマルだし


「あ、…うん。そう…」

「残念だね、タイガー」


クスクス笑う変態を、虎之介先輩が睨みつけた

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