《MUMEI》
初・学食
「鳳凰寺くーん!」

「歩ちゃーん!」


…何コレ


食堂までの廊下でも、注目の的だったけど


入ってからの歓声は、更にすごい


「だ、大人気だな、あの二人」


思わず、高級レストランのような入り口で、足を止めてしまった


俺が足を止めたからか


自然と、他の二人も


神澤と皐月も止まっていた


ただし、皐月は


止まっているというより


固まっていた


「絶対僕『あの平凡』って、罵られるんだ…」

「だ、大丈夫だぞ俺だって」

「高橋君はいいんだよ」

「え、だって」


俺、平凡な上に庶民だぞ?


「行こ」

「え!?」


神澤に引っ張られ、俺は


食堂の奥から


二階にある、生徒会専用席に向かった


皐月も慌てて俺達を追いかけてきたが


俺達三人に対しては


歓声も、罵声も無く


ただ、静寂と


刺さるような、様々な視線だけがあった


そして、その静寂は


俺達三人が、席に到着し


「気にせず、食え」


会長が、こう言った瞬間に終わった


…何だったんだ?

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