《MUMEI》 最悪の・・・ヒュン・・ トン・・ 着地したのは・・ロックリザードの頭の上・・では無く、ロックリザードの頭上、洞窟の天井だった。 「飛びすぎたああああああああああああああああ」 思いっきり天井を蹴り、ロックリザード目掛けて落ちていく。 ドサ・・ ロックリザードの頭上に落ち、ズルズルと四つん這いで進む。 振り落とされそうになりながらも紐を抜いた。 「よし!後はァあああああああああああああああああああああ・・・」 つい、ガッツポーズをしたのを誰が攻められるだろう・・ 振り落とされるどころか、ふっ飛ばされた。 壁に直撃する直前、ロシュが受け止めてくれたお陰で、ダメージは軽かった。 「大丈夫か?」 「後は・・なんか衝撃があれば・・」 ドゴゴォォォン!! 天井から落ちた岩に頭をぶつけ、炸裂筒が炸裂した。 ガラガラ・・崩れ落ちてくる岩が収まった後には、埋まったロックリザードの姿が・・ 「倒した・・のかな。」 「・・・たぶんな。」 ガラガラ・・ 「グボォ・・」 何かを吐き出し、ロックリザードは沈黙した。 「・・・脅かすなよなぁ・・」 「なんだろ、あれ。何か光ってるけど・・・」 ロックリザードが吐き出した物体に近寄る二人。 「ひゅう!!こいつはラッキーだ!バイオレットマターの結晶じゃねぇか!!10キロ・・いや15キロはあるな!」 「とにかく逃げないと・・」 「良いから!お前、どれぐらい持てる?後・・10キロくらいあるが・・」 10キロ、リースから貰った腕輪の容量なら入る。回収しないと抱えて走りそうな勢いである。 収納できるだけ収納して、出口へと歩く二人。走るにも体力も、体も動かないので仕方が無い。 ヒタリ・・ヒタリ・・ 何かが出口の方角から歩いて来ている。 「誰だ!!」 拳を構えるロシュ。 「く・・」 リングオブウエポンを武器化し、構える狩月。 キシキシキシ・・・ 二人の前に現れたのは、そう、体格の変わらない赤黒い鱗のリザードマン。手には何かを持っている。 「・・「首狩」・・最悪だ・・」 リザードマンが手にしている物を見て呟くロシュ。 キシキシキシ・・ 再び口を開け、声を出すリザードマン。そして手に持っている物、ヒトの首をこちらに投げた。 「うぁ・・・・」 ペタリ、と腰を抜かしてその場に座り込む狩月。 「・・・おぃ、俺が時間を稼ぐ。お前は・・逃げろ。こいつは・・・勝てる訳が無い・・」 ロックリザードを相手にしていた時でさえ怯えた表情を見せなかったロシュの顔が恐怖に引きつっている。 「・・・・・・・無理だ・・こんなの逃げられるわけ・・無い・・」 ヒタリ、ヒタリ。 ゆっくりと間合いを詰めてくるリザードマン。 前へ |次へ |
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