《MUMEI》
初・学食6
風紀委員会席と、生徒会席は、それぞれ違う階段と出入口があり


空間が完全に別々で、結構距離がある


だから


最初、誰が俺にこのケーキをくれたのかわからなかった


でも


じっと見ていたら、勘のいい、聖が俺の視線に気付き


「どーしたー!? 誠!」


大声で、叫んだ


いや、確かに距離あるから、大声、わかるんだけど


「テメー、俺を無視して風紀見てたのか?」


何故か、会長ご立腹です


「ふーん…」


一ノ宮先輩も不機嫌です


「ダメ」


神澤からは、否定された


嫌な空気が、流れた


そんな、中


「ちょっと待ってろー!」


風紀委員専用席の、枠に立つ聖


ちょ、まさか…


「とおっ!」


飛んだよ!!


一階の、一般席の生徒が悲鳴を上げた


だってどう見ても届いてねーし!


いくら、聖でも無理だろ!


すると


「あーあぁー!」


聖が何かを掴み、雄叫びを上げながら、こちらに飛び込んで


空中で一回転して、枠の上に着地した


「とーちゃーく!」

「なぁ、今何につかまった?」

「ん? ロープ」

「何で、ロープが…」

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