《MUMEI》
賭け
ユウリは、白の額の
汗を拭き取っていた

『…ユウリセンセエ
、僕どうしちゃった
んですか?』

苦しい息の下から白
が聞く。

『うん、大丈夫だよ
白クン。君の身体は
ね、大人になろうと
しているんだよ。』

白を不安にさせぬ様
に、殊更に穏やかに
微笑んで告げる。

命の危機である事な
ど気付かせぬ様に…

ヒトガタノハナは、一旦ヒュ
ーマノイドフラワーに成長し
てしまえば、不老不
死の命を手に入れる
のだが、ハナの段階
では脆く弱い。

事実、ハナの段階で
消える仲間が半数を
超えている。

そして残った半数以
下も…花を咲かせる
段階で、数える程し
か生き残る事が出来
ない…。

ハナにとって花を咲
かせると言う行為は
命懸けの行為なのだ


…この弱った身体で
白は最後まで耐えら
れるのでしょうか?

でも…白には、もう
この選択しか残され
ていないのだから…

危険な賭けでも、僅
かに生き残る可能性
があるのだから…

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