《MUMEI》
想い
扉が開いて夢視が部
屋を訪れた。

『ユウリ先生。』

夢視の表情を見たユ
ウリは、ショウとの
話し合いが良い結果
をもたらした事を知
る。

そこに立っていたの
は、男らしい顔つき
の夢視であった。

『心は決まりました
か?』

『はい』

夢視が力強く頷くと
ユウリはニッコリと
微笑み、白に囁いた

『白クン、夢視様が
来ましたよ。もう大
丈夫ですよ。』


『え、夢視様が?』

白は、そう言われて
ユウリの背後に立つ
夢視に目を向けた。

『…っ、えっ?…』
白が、小さく呻く。

『『…白…?』』

ユウリも夢視も、白
の頬が、見る見る赤
く蒸気するのを見て
また熱が上がったの
かと焦った。

白は、心臓が壊れる
程にドキドキしてい
た。

…今、そこに佇んで
僕を見下ろしている
夢視様は…僕の知っ
てる夢視様じゃない
気がする…

柔らかな笑顔はその
ままだけど…僕を見
つめる眼差しは強く
て…内側から心臓を
鷲掴みにされた様で
苦しい。

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