《MUMEI》
初・学食8
「神澤、よくやった」

「ん」

「グッジョブ」

「ん」

「頑張ったね」

「ん」

「頑張ったな」

「ん」


「いや待て。そのやり取り、おかしいだろ!」


何で皆で神澤をほめてるんだ!


「さ、皐月!成瀬せんぱ…い!?」


…あれ!?


「二人なら、今あそこだ」
「えぇ!?」


榊原先輩が指差したのは


学食の出入口だった


瞬間移動!?


「斗真(とうま)の存在感の無さは、半端無い」


榊原先輩…


それは、誇らしげに言う事デスか?


「だからこそ、常に気付ける自分が、嬉しい」


…それ、ノロケですよ


「というわけで、俺はもう行く。そろそろ、午後の授業も始まるし」

「え?」


もう、そんな時間か!?


「行くぞ、誠」

「行こ」

「あ、あぁ」

「会長、失礼します」

「「またねー」」

「凡人は大変だな」

「またね」


こうして、授業免除が認められてる会長と一ノ宮先輩を置いて


残りのメンバーと一緒に、食堂を出た

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