《MUMEI》

柔らかなオリーブグ
リーンの髪にキスを
落とし、耳、おでこ
鼻、頬、そして唇へ
と…弱る白を壊さぬ
様に、優しく包む。


『んっ…はぁっ…』

白が息苦しくならな
い様に、適度に間隔
を空けて、唇を離し
また再び強く重ねる

白のエメラルドグリ
ーンの瞳にうっすら
と涙が浮かぶ。

『白、辛いですか?


夢視が、心配になり
そう聞けば、フルフルと
首を左右に振る。

白の両手は夢視の胸
元をギュッと握り締
めていた。

夢視の胸に再び愛お
しさが込み上げる。

夢視自らも、これ程
までに白を求める自
分が居たとは気付い
ていなかった。

『白…ね、白?』
夢視は白に囁く。

『は…い、夢視様』

『私が怖い?』
白の瞳を覗き込み聞
いた。

白の瞳は驚きに揺れ
暫し沈黙の後、いい
え…と呟いた。

『夢視様、僕は嬉し
さで胸が一杯なんで
す。だから、このま
ま…』

続く言葉は、夢視の
深い口づけによって
遮られた。

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