《MUMEI》 「楠の疑いは解けた訳じゃないからな、二郎は親しくなればなるほど魅力が増してくるんだ、お前はそれを覚えておけよ。精神の鍛練だと思うんだ。」 負けた俺が言えた立場じゃないが……。 まあ、あれは二郎が俺に溺愛だったから既に両思いが成立していたんだ。 「浮気だなんて・内館は俺の彼女を知らないからそんなこと言えるんだよ!」 楠は彼女の話になると震え出す。 「とにかく、楠は二郎のガードマンとして学内で働くこと、いいな!」 楠は俺と格闘出来るくらいの戦闘力はある。 しかし……楠は体が弱かった。 二郎のガードマンとして働けば働くほど病院通いになってゆく。 「楠、ごめんな……そうだ、俺も空手を習えば……!」 二郎は毎度お約束のように怪我をする楠を見るに見兼ねて決意した。 「それより、もっと向いているのがある。」 こうして楠の彼女から二郎は合気道を教わることになった。 楠の彼女は、空手や柔道も出来て、大抵の格闘技に精通しているのは父親が格闘家だからだそうだ。 その、彼女の父親により楠は鍛えられているそうだ。 師匠(楠の彼女)は、二郎に精神面でも鍛えてくれた非常に心強い存在だ。 楠より頼りになる、むしろ彼女は頼りない楠の何処に惹かれたんだろうか。 案の定、楠は酔って二郎に二回程眩んで、痛い思いをしている。 一度目は二郎が自ら、二度目は俺と乙矢が楠を病院送りにした。 俺達の場合は心の方の病院だ。 ちなみにその後は、彼女の鬼の特訓コースが待っていた。 それでも楠が筋肉ダルマにならないのは不思議だ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |