《MUMEI》 ―んな時に目の前でカツアゲかよ… なおも胸ぐらを掴んで相手を脅そうとするヤンキーに止めに入ろうと瀧が立ち上がろうとした瞬間― ―キィィン― 金属が擦れたり当たったりする音にも似た高い音が響いた。 「SCか!?」 そう言って隣で同じように立ち上がりかけた綾乃を押し込める様にしゃがませた。 「え、何々!?」 「いいからおとなしく黙ってろ!」 綾乃を抑えながらも瀧は二人から目を離さない。 「な、なんだよ…」 さすがに違和感を感じてかヤンキーがうろたえる。 「君さぁ、ダメだよぉ、僕にはね、もう守ってくれる女神様がいるんだよぉ〜?」 そう言って立ち上がった彼から陽炎が起こる。 口許には卑屈な笑みが浮かんでいる。 前へ |次へ |
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